今回はクラウドERPを導入して現状の業務の問題点のどの部分が解決し、どの部分の解決が難しいのかをテーマにご紹介していきたいと思います。ERPと言えば、業務サポートする機能が幅広く、在庫管理、販売管理、購買管理、財務会計、人事管理などがメインの機能として利用されることが多いと思います。在庫管理や販売管理などは、業務改善が出来たと満足度が高いのですが、一方で人事管理についてはそこまで満足度が高くないという結果が出ているようですのでご紹介していきたいと思います。
ERPは人事管理にむいていない?
まずはERPが人事管理としてのシステムに向いているかどうかを確かめてみたいと思います。
人事管理とは
まずは人事管理というはどういった内容で、どのような業務が発生するのかを見てみたいと思います。
まず人事管理というのは、組織や企業に属している従業員の管理、統率をするために必要な手続きのこをを指しています。
大きく言われているものは
- 経営に必要な人材を効率的に確保
- 能力が最大限に発揮されるように適切に人材を配置
- 教育・訓練を施して効率的な人材能力の向上
- 最適な処遇により人材の活性化
以上の4点が中心です。
人事管理の業務
それでは人事管理について、どういった業務が発生するのかを見ていきたいと思います。
・労働者の採用、異動・配置、職務分析、人事考課、昇進などの労務管理
・時間研究、動作研究、職務再設計の作業管理
・労働時間制度、休業・休暇、就業・残業などの勤務時間管理
・報酬、職能給、出来高給、年棒制、退職金、各種手当などの賃金管理
・職場の労働環境の改善、従業員の健康管理などの安全管理
・研修、OJT、ジョブローテーション、資格取得勧奨等の自己啓発推進などの教育管理
・福利厚生、労働環境整備などの環境管理
以上が主な業務となります
このように、一言で人事管理といっても、細かい内容が多く企業が大きくなれば、従業員も増えていくわけで、こちらが整備されていないままですとどんどんと管理が煩雑になっていってしまうわけです。
そのため、人事管理システムやクラウドERPなどの業務システムを活用し管理していく企業が増えていいっているのです。
人事管理はERPで出来ない?
それでは人事管理の方法ですが、近年はクラウドERPに人事管理機能が搭載されていることが多いので、ERPを軸に人事管理を行おうとする企業が多いのですが、なかなかうまくいかないようです。
申請業務を電子化、ペーパーレス化できていない
結局のところ業務で行き詰る部分としては、「ペーパーレス化」出来ていない、出来ないという部分で管理システムのメリットを十分に感じられていないようです。
(引用:https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/2208/05/news058.html)
ただ出来ていない理由としては記載のある通り、デジタル化に対応している社内の人材がいないということが大きいようです。その為、ハイスペックなシステムを導入したところで使いこなすことが出来ず、結局電子化をせず、これまで通り業務をこなす方が良いといった判断になるのです。
電子化出来ない企業の方法
システムを導入しても、使いこなせない場合については、システムコンサルタントを導入して解決する企業が非常に多いようです。システムコンサルタントを導入し解決した企業は7割にもなるようです。
これは逆に言いますと、社内にシステムに強い人間を一人育成するのも中小企業にとってはハードルがあがってしまうということもあり、外部パートナーとともに社内システムを整備し運営する方法が好まれているようです。
クラウドERPで解決できること
上記は解決できない人事管理の部分をお伝えしましたが、在庫管理や販売管理については満足している企業が多いようです。クラウドERPのおもな機能 としてもやはり製品や商品といったモノに関する資源の管理については、各段に改善されるため評価も高いようです。ですので在庫管理や販売管理をメインでシステムを使いたいといった場合はクラウドERP、人事労務などを管理したい場合は人事管理システムを別で導入し運用していく方が良いかもしれません。いずれにせよ、システムをさわれる、運用できる社内人材を育成することが一番の解決になると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はERPを導入して解決する問題としない問題について解説致しました。クラウドERPが向いているものとしては、在庫管理、購買管理、販売管理、財務会計といった部分で、人事、労務管理などはERPと切り離した別システムを活用するか、もしくは外部パートナーであるシステムコンサルタントと契約し運用をサポートしてもらうかといったところになるかと思います。