売上管理は、経営者や経理担当者の仕事と思われがちですが、営業・マーケティング担当者を含む全従業員が理解すべきことです。会社の経営状況を把握し、営業・マーケティング施策の有効性・妥当性を判断することが重要です。
しかし、「複数の数字や指標を把握するのは難しい」「営業管理の方法がわからない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、そもそも売上管理を行う目的を踏まえ、売上管理の方法とポイントを解説していきます。効率的な売上管理の方法を知り、適切な意思決定をしていきましょう。
売上管理とは
それでは売上管理を詳しく説明致します。
売上管理とは、売上管理表を作成し、販売情報を定期的に記録し、その記録を分析して売上目標を達成しているか、達成率はどれくらいかを確認することです。一般的に、企業は年度初めに年間計画=予算を作成します。
予算には売上目標が含まれており、会社は、1ヶ月、4ヶ月、6ヶ月などの間隔で、売上目標が達成されているかどうかを定期的にチェックします。もし、売上が目標に達していなければ、その原因を分析し、売上目標に達するようにどのように軌道修正をしていけばよいかがわかります。
売上管理に必要な項目
それでは売上管理を行う際に必要な項目をあげていきます。
売上
売上は記録しなければならない最も重要な数字です。売上高の合計を “売上高 “といいます。あくまでも売れた金額についてであり、利益とはイコールではありません。売上高だけでなく、販売した日時や顧客情報、販売した製品やサービスに関する情報などを記録しておくと、後の分析に役立ちます。
売上目標
売上目標は、年次、半期、四半期、月次など、一定の時間単位で設定し追っていく項目です。また、売上高と一緒に記載することで、どこまで達成できたかが一目瞭然になります。一般的に、売上目標は、過去の実績から問題なく達成できそうな金額よりも、やや高めに設定することが望ましいとされています。
しかし、予想以上に売上が好調だったり不調だったりする場合もあり、一度設定した売上目標が非現実的と判断される場合もあります。そのような場合には、上方修正または下方修正を行い、現実的な範囲内で目標を再設定することが必要な場合があります。
また、あわせて売上達成状況も確認出来るようにしておきたいです。売上と売上目標の情報が集まったら、売上が目標にどれだけ近づいているかを確認することができます。この情報を表示する方法としては、”売上達成率105%” や “売上達成率95%” といったように、パーセンテージで表示するのが一般的です。通常、売上目標は100%に設定されています。グラフなどを使えば、数字が苦手な方にもわかりやすい情報です。
原価
原価とは、商品または商品に必要な材料を購入するためにかかった金額です。売上とは直接関係ありませんが、売上管理シートに売上と一緒に記録することで、「粗利」を把握することができます。事業の種類によって、売上原価が明確に把握されている場合とされていない場合があります。売上原価が明確に把握されていない場合は、販売管理上どのように扱うか社内ルールを作り、売上と一緒に計上する必要があります。
経費
経費は費用は原価と似ていますが、原価が商品の仕入れや材料費を指すのに対し、費用は事業活動にかかる費用(人件費、オフィスの家賃、通信費など)です。経費は、企業が存続し、活動するために必要な固定費です。したがって、販売管理表と並行して経費を記録し、その進捗状況を把握することで、経費が計画通りに支払われているかどうかをチェックし、会社運営の妥当性を評価することができます。
売上管理の方法
それではこれらの数字をまとめて管理する方法をご紹介します。
エクセル
売上管理で最も手軽なのは、エクセルを使った方法です。特別なシステムを導入する必要がなく、指標や項目も柔軟に設定できるからです。しかし、管理する項目が多かったり、入力する数値が多かったりすると、入力や集計の負担が大きくなります。また、表の作成や関数の入力に手間がかかるため、ユーザーにはExcelのスキルが必要です。Excelは手軽に始められる反面、その精度や効率には限界があることを理解しておく必要があります
会計ソフト
会計ソフトを使用することで、売上をより効果的に管理することができます。なぜなら、会計ソフトは日々の売上情報を記録し、異なる期間の売上データを比較するために使用できるからである。また、会計ソフトはCSV形式でデータを抽出することができるため、使い勝手が良い。このように、会計ソフトは販売管理にとって有利なツールです。
SFAやCRM
顧客、営業担当者、営業案件などに紐づく販売管理は、SFAやCRMに搭載されている販売分析機能を使えば、高い精度で行うことができます。これらの機能では、グラフや表も自動的に作成されるので、状況を把握しやすくなります。また、予測管理機能を使えば、売上目標や予測に対する売上達成率が表示されるので、問題点やボトルネックを分析し、迅速に是正策を講じることができるようになります。
売上管理アプリ
いちいちパソコンや紙媒体を用意する必要がなく、いつでも簡単に売上を入力できるのがメリットです。アプリには売上分析に便利な検索機能が充実しているものも多く、場合によっては書面での報告書作成も可能です。個人事業主に特化したアプリや確定申告をサポートする機能を備えたアプリなど、業種や必要な機能によってアプリを選べるのも特徴です。また、無料のアプリも多くありますが、有料のものに比べて機能が充実していない場合もありますので、どのような機能が必要かを検討することが重要です。
クラウドERP
クラウドERPでは、企業活動におけるお金やモノの流れを効率的に管理するためのシステムです。そのため、商品の販売から代金の回収まで、販売に関する一連の数字を管理することができます。
さらに出荷管理や在庫管理など、販売管理以外の項目も含まれています。そのため、一元でデータを管理することができるので管理が楽になります。、導入費用が高いというデメリットもありますが、クラウドタイプですと安くすぐに使い始めることができます。