OMSとは? クラウドERPとの違い

OMSとは? ERP・基幹システム
OMSとは?

ここ数年、Eコマース市場は飛躍的に成長し、Eコマースとオムニチャネルの融合は、ビジネスにおいて当たり前の光景となっています。ネットショッピングを利用する人にとっては利便性が高い一方、受注企業にとっては、実店舗に加え、ECの受注管理が強化されたことで、業務管理・統括のためのコストが増加しています。また、Eコマースに参入するだけでも、自社サイトだけでなく、Amazonや楽天市場などのECモールなど、複数の販売チャネルが存在し、受注管理に関するさらなる課題が発生しています。そこで、本稿では、OMSと呼ばれる受注管理システムについて詳しく解説していきます。

OMSとは

OMSとは、Order Management Systemの略で、日本語では受注管理システムと呼ばれ、受注から発送までの業務を一元管理するシステムです。受注業務では、受注確認、サンキューメッセージの発信、確認書などの決済処理、請求書や出荷書類の作成、請求書の発行、倉庫への出荷連絡、出荷完了メールの送信など、さまざまな業務が必要です。OMSでは、これらのプロセスを整理し、一統一された業務内容に収束させることで、生産性向上を容易にします。

OMSが必要になった理由

ここ数年、OMS(Order Management System)という概念への関心が高まっています。

2022年も、EC市場は衰えることのない成長を遂げています。2020年のコロナ禍より、ECサービスの需要を喚起し、企業はEC化という現象に取り組まなければならなくなりました。ECには、Amazonや楽天市場、ファッション専門のZOZOTOWN、CtoCアプリのメルカリ、URLの異なる企業の公式サイトなど、販売チャネルは無数にあり、EC市場は比較的成熟しています。このように販促チャネルが増えれば増えるほど、受注管理はますます複雑になっていきます。それら複数チャネルの販売管理を一元化する必要が出てきたためOMSが求められるようになりました。

OMSの主な機能

それでは、OMSにはどのような機能があるのか。製品によって多少変わりますがここでは代表的なものを紹介します。

会員情報の連携

オムニチャネルに必ず必要である実店舗とECの会員を一元管理できる機能です。オフライン、オンライン問わず顧客の訪問履歴や接客履歴(メモ)を記録・参照することができるため、接客や受注対応の品質向上に役立ちます。その他OMSには会員ランク機能やポイント機能、ブラックリスト管理機能なども備わっています。

一つの画面で受注管理

Eコマースに特化したOMS(Order Management System)を活用することで、複数のサイトの注文処理を一つの管理画面で行うことができ、各画面へのアクセスは不要になります。例えば、5つのECサイト(Amazon、楽天市場、Yahooショッピング、Qoo10、自社プラットフォーム(Futureshop))を運営する場合、受注処理はすべてのサイトを含む1つのインターフェイスで済みます。その結果、1つのサイトで10回の受注管理が必要な場合、5つのサイトを合わせて10回で40回分の業務が軽減されることになります。

在庫一元管理

Eコマースに特化したOMSは、在庫を一元管理する仕組みを備えています。各ECプラットフォームとOMSをAPIで接続することで、リアルタイムに在庫を同期させることが可能です。これにより、在庫管理を効率化するだけでなく、各ECサイトでの売り切れなどの販売機会損失の可能性を排除することができます。

複数拠点の在庫も一元管理

複数の事業所や物流センターを持つ企業にとって、在庫の発生地は重要な要素である。特に家具や自転車などのアイテムは、お届け先までのリードタイムや配送コストが極端にばらつくことがあります。オムニチャネルに特化したOMSでは、配送先に最も近い実店舗や倉庫から出荷するという選択肢を提供しています。さらに、ECサイトからの注文は、お客様が直接受け取りを希望した場合、倉庫ではなく、対応する実店舗の在庫で対応することも可能です。万が一、実店舗に商品がない場合でも、店舗間の在庫移動が正確に行える。また、いくつかのOMSでは、ロッカーからの非対面受け取りにも対応しています。

クラウドERPやPOSやWMSとの連携

OMSは有効なソリューションではあるが、それだけで経営が成り立ちません。リアル店舗での販売に欠かせないPOSや、店舗管理で常用するWMS(Warehouse Management System)との連携が重要なのは言うまでもない。また、OMSでは管理できる範囲が限定されので、在庫管理、販売業務、財務業務まで一括して管理したい場合は、クラウドERPシステムとの連携をお勧めします。

OMSのメリット

OMSは、多数のプロセスをひとつにまとめ、元の販売システムとAPIで接続することで、発注から納品までのプロセスを効率化する重要な役割を担っています。その結果、多数の受注管理業務がなくなることで、業務が加速するだけでなく、企業経営に欠かせない企画やマーケティングの分野にも配分を行うことができるようになりました。また、OMSを導入することで、受注管理業務が効率化され、その分人員を削減することができます。そのため、これまでの受注管理担当者のリストラは検討に値します。人手不足の昨今、人手を減らすことはコスト面だけでなく、組織としてのリスクも最小限に抑えることができるのです。

まとめ

Eコマースやオムニチャネルマーケティングを推進する上で、OMSは欠かせない存在です。近年、OMO(Online Merges with Offline)が叫ばれ、オンラインとオフラインの境界があいまいになってきています。その結果、両者の融合が進み、OMSはその決定的な役割を担っています。またOMSだけでは不十分な場合はクラウドEPPやWMSなどとの連携を行い、業務の効率化を図ることがポイントになってくると思います。

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