クラウドERPの歴史

クラウドERPの歴史 ERP・基幹システム
クラウドERPの歴史

今回はクラウドERPの歴史について記事を書いていきたいと思います。クラウドもERPもごく最近になって知ったという方も多いのではないでしょうか?それもその通りで少し前までは基幹システムという言い方が主流だったかと記憶しております。もちろん今でもクラウドERPと基幹システムは切り分けて利用することもあります。

日本でERPが認知されたのは1990年代

ERPだけを遡って歴史を語る前に、まず日本国内で大企業がERPの導入を行ったのは1990年代と言われています。なぜならそれまで国内で流通しているようなERPの存在がなく、SAPジャパンを中心に展開が始まりましたが、元々は欧米諸国が開発、ビジネスに利用していたものですから、当然のごとく日本の企業にはマッチングせず、また導入費用も高いためほとんどの日本企業は導入できず、中小企業からすると、導入する検討の余地すらない。そんな遠い存在でありました。

欧米では1970年代後半からERP導入が進められていた

では、海外ではどのタイミングからERPが認知され利用されていたかというと、1970年代。上記で名前をあげたSAPジャパンの大元であるドイツのSAPが1973年に「R/1」という製品名でリリースしました。欧米では1960年代ごろから、中小企業をはじめビジネスにパソコン、コンピューターを利用することが増えてきいたので、その流れで、コンピューターで管理出来るシステムとしてERPが開発されたという流れがあります。

SAP社のR/1とは

こちらは1973年に開発されたERPです。元々IBMにいた数名の技術者によって開発されたものになります。当時はミドルウェアという概念のない中で利用できるシステムとして開発されたもので今とはかなり違う環境での開発されたものでした。 ただこの中で、当時、言語、通貨、法律が整備されていなかったドイツをはじめとする欧米の企業に対して、業務効率を改善するため、パラメータ変更によって各社の要件の差異を吸収するパッケージ型ソフトという開発の道しるべができたことで、そのままERPというシステムに進化していきます。

1990年代後半 日本にも火が付く

そんな中、欧米諸国でBPRというブームが到来します。BPRとは、ビジネスプロセス・リエンジニアリングの略称となります。日本でも有数の経営者は、このブームに目をつけます。

BPRとは?

ビジネスプロセス・リエンジニアリング は日本語で言い換えますと社内の業務内容や工程、組織の構造を見直す。ということです。今の時代では当たり前に言われる内容なのですが、当時日本にはこのような概念はまだまだ根付いておりませんでした。 なぜ広まったかといいますと1993年にリエンジニアリング革命という記事が発刊され、それに同調する企業が大変多かったからと言われております。

会計ビッグバン

そこでちょうど日本も会計をグローバル化(世界基準に合わせる)する、会計ビッグバンがブームとなります。これを機にどんどん基幹システム、ERPを導入する企業が増え、さらに中小企業向けERPなどの開発もすすみ、どんどん馴染みのあるシステムとして普及していきます。

オンプレミスからクラウドへ

ただ当時はオンプレミス型が主流であったので、まだまだ導入するには高額なもので、さらに社内でしか利用できないシステムでありました。しかし2010年から徐々に様々なシステムがクラウド化になったことで、ERPもクラウド化が当然のように進みました。結果、大企業はもちろん中小企業向けクラウドERPも普及し、価格がどんどん抑えらるようになったことで、今では多くの企業にとってなくてはならない存在の社内システムとなりました。

クラウドERPは今の時代とマッチ

さらにコロナ禍の影響でリモートワークが一気に拡大したことで、社内システムにどこからでもアクセスできるクラウドERPがさらに広まりました。また開発しているベンダーも多くなり、価格面、機能面でも満足できる製品がどんどんリリースされ、またアップデートされていっています。 今後も失速することなく、まだまだ広がっていくシステムなのは間違いなさそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はERPの歴史について簡単にまとめさせていただきました。元々はドイツが開発した製品がカタチをかえ、今私たちが利用していると考えると不思議な感覚です。しかしながらこのBPRが流行したおかげで、現場の一般社員や中小企業なども含め、多くのビジネスマンの作業効率があがったことは間違いないですし、今後もビジネスをしていく上で必要な存在のシステムです。例えばクラウド帳票など、法改正があってどんどん電子化が進むなかERPは対応出来たりするので時代に乗り遅れないという意味でもとても活躍してくれるシステムです。ERP

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